ブログ
2015/07/14

時効

 

梅雨空から一転、猛暑・酷暑を凌ぐ「厳暑』という言葉も使われ始めるほどの天候です。

  『なんと今日の暑さはと 石の塵を吹く」上島 鬼貫

 

今回は「消滅時効」についてご紹介いたします。

 

Q、私は10年ほど前に友人に頼まれ200万円を貸しました。信用していたので特に返済の催促もしませんでした。しかし、お金が必要なことがおこり返済の催促をしたところ友人に「債務は時効になり消滅した」といわれ返済を拒否されてしまいました。このまま、お金は返してもらえなくなってしまうのでしょうか?また、5年ほど前に利息として10万円を受け取っていた場合はどうなるでしょうか?

 

A、あなた(債権者)の友人(債務者)に対する貸金返還請求権は、消滅時効にかかっていると思われます。

友人が時効の援用(時効が成立していることを主張)すれば、原則、貸金を返還してはもらえなくなります。

 

 なお、時効までの期間内に利息や一部の貸金の支払いがあった場合、『時効の中断」により、未だ消滅時効にはかかっていないと解され貸金返還請求ができます。

 

 消滅時効

 消滅時効とは、一定期間権利を行使しないとその権利が消滅してしまう制度です。権利を行使しないという事実状態は、権利がない状態と同じと考えられこの事実状態を尊重するなら権利はなくなったと扱われることになります。そこで、債務者が時効の援用をすれば、債権者は権利を行使できなくなります。

 

 時効期間(民法改正後は年数の変動あり)

 平成27年現在、民事上の債権(主に個人間)は10年、商業上の債権は5年とされています。債権又は所有権以外の財産権は20年間行使しない時は消滅します。また、

 

5年で時効

・相続回復請求権は、相続権を侵害された事実を知った時から

・マンション組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費、特別修繕費(最判H.16.4.23)

3年で時効

・医師、薬剤師の診療・調剤

・工事の設計、施工・監理の工事に関する債権。工事終了から

2年で時効

・生産者、卸売・小売商人の売掛け金

・学芸・技能の教育を行うものが、生徒の教育・衣食・寄宿に関する債権

1年で時効

・月又はこれより短い期間で定めた使用人の給料

・旅館、飲食店、娯楽場の宿泊料、飲食料、席料等

などとされています。

 

 したがって、今回の場合、友人に対する貸金債権は民事上の債権ですから10年で消滅時効期間が経過します。友人が、「消滅時効により債権は消滅した」と時効を援用すれば、貸金請求ができなくなってしまうのです。

 

 時効の中断

 時効期間内に、裁判上の請求や債務者が債務の承認・返済・返済猶予の申し入れをした場合「時効の中断」が生じ、時効期間の計算はその事由の日を起点にし振り出しに戻ります。また、時効期間が経過しないと時効の援用はできなくなります。

 また、消滅時効期間経過後に債務承認をした場合、時効の援用をすることはできないと解されており(最判S41.4.20)、今回の場合も貸金債務を承認してもらえば、たとえ消滅時効経過後であっても貸金を返してもらうことができるのです。