ブログ
2015/03/18

相続 vol.1

投稿者:所長

相続対策には、いろいろな手段がありますが、家の跡取り確保のためや相続税の節税対策のために、孫や親類を養子にするケースもその一つです。

Q、では、認知症の人がした養子縁組は有効なのでしょうか?

 

A、まず、養子縁組が有効に成立するためには、少なくとも縁組の意味やその効果を理解する能力が必要です。この能力を法律用語では、意思能力といいます。

 意思能力のない者の養子縁組は、縁組の意思を欠くものとして無効になります。

そこで、認知症の人に意思能力があるかが問題となるのですが、認知症と一言にいっても、程度に差があるため一概には言えません。裁判例では、養親の知能年齢が5歳程度の知的障害者であった場合に養子縁組を否定したものがあります。

 結局は、最初にお話しした養子縁組の意味や効果を理解できるかどうかで判断するため、医学的な知見が関わってきます。主治医等の意見を聞くことが参考になります。

 無効となった場合には、養子としたい者を相続人として遺産分割協議に参加させられなくなったり、既に締結した遺産分割協議書においては、相続人ではない者が相続財産を取得したこととなり、取得した財産が没収されることになります(遺産分割協議自体が無効になることもあり得ます)。

 相続税の申告においても、養子縁組による減税分が追徴課税されることとなります。追徴課税の場合には、延滞税や加算税などのペナルティが発生します。

 養子縁組の際は、なるべく、縁組により影響を受ける親族の方に事前に話しておくことで余計な紛争を起こさないようにすることや、税務署から疑義がもたれないようにするために、相続開始間際ではなく、できる限り早めの対策が良いでしょう。