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2015/11/02

離婚訴訟

こんにちは。

山々も、街も晩秋の装いになってまいりましたね。11月上旬は箱根が紅葉の見頃、都内は11月下旬が見頃を迎えるようです。先日は、友人に大学内で拾ったという銀杏を沢山もらいました。秋の味覚は一際魅力的です。

 さて今回は、「愛人のある夫から離婚訴訟を起こせるか」です。

 

Q、結婚後12年経って、夫の女性関係で夫婦が不仲となり別居しました。間もなく夫は妻に離婚請求の訴訟を起こしましたが、有責配偶者(離婚原因を作った側)からの請求ということで敗訴した。その後30年経って夫は再び離婚訴訟を起こした。本訴訟までの別居期間は35年余りに及ぶ。その間別居の際に生活費を保証する趣旨で夫から渡されていた建物を妻が処分してその代金を生活費に充てた以外は、夫から生活費を受けるなどの交渉は一切なかった。離婚請求は認められるでしょうか。(最判昭和62年9月)

A、夫婦関係が破綻しており、かつ夫が愛人を作ったのが婚姻関係が破綻した後でない限り、有責配偶者から離婚訴訟を提起することは原則認められず、原審は棄却された。しかし、最高裁にて有責責任者からの離婚請求も認められる場合があることが肯定されました。

 

 かつては有責配偶者からの離婚請求というだけで裁判所は排斥していましたが、近年、有責配偶者からの離婚請求も認められています。

その要件として

�夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶ

かつ、

�夫婦間に未成熟の子供がないこと

かつ、

�相手方が、離婚により精神的・社会的・経済的に厳しい状態に置かれる等、社会的正義に著しく反しない

の事情が認められる場合です。

認められる、その背景として

・離婚後の妻の経済的地位に十分な配慮をして離婚を認めるようにすれば問題とならない。また、完全に破綻して経済的にも関係が切れてしまっている夫婦の場合、離婚したほうが妻の経済的地位が悪くなるとは言えない

・夫が愛人を作って妻を追い出し、直ちに離婚請求をして認められるというわけではないから、「追い出し離婚」にはあたらない。

・夫が有責配偶者であるものの、長期間にわたって夫婦の実質が全くなく、完全に破綻して修復不可能になっている婚姻でありながら、法律上の夫婦としてあり続けることが妻にとって幸福か疑われる

・破綻してなお、形骸化した婚姻を残しておくことに倫理的な意義を見出せるかは、程度の問題となる

裁判判例では、別居期間5・6年で認められたケースもあり(東京高判平14.6)、別居までの婚姻期間においても口論が絶えなかった(最判平成2.11)という諸般の事情も鑑みられ判断されています。未成熟子にあっては、高校生であっても離婚が認められているケースもあります(最判平成6.2)