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2015/08/21

名誉毀損

 こんにちは。夏の暑さも峠を越したかと思われる今日この頃ですね。

さて今回は、「名誉毀損」についてです。昨今、インターネットの普及により正誤関わらず情報が溢れ、暫しネットでの口コミや中傷等、インターネットへの投稿が問題視されることが多くなっています。

 

平成22年に起こった事件判決を元にご紹介致します。

 

※ 被告人は、フランチャイズによる飲食店の加盟店等の募集及び経営指導等を業とする株式会社Aの名誉を毀損しようと企て、平成14年10月から同年11月にかけて、自己の開設したホームページにおいて、「株式会社Aのラーメン店で食事をすると飲食代の4〜5%がカルト集団の収入になります」等とAがカルト集団である旨の虚偽の内容を記載した文章や、Aが虚偽の広告をしているかのような虚偽の文章を掲載し続け、これらを不特定多数の者に閲覧させ、公然と事実を摘示してAの名誉を毀損した。という事案です。

 

これに対し一審判決は、被害者による反論が可能であったという状況を前提とし、個人がネット上に掲載した情報は閲覧者において信頼性の低い情報として受け取り、事実を真実であると誤信したのであれば名誉毀損罪にはあたらないとしました。

しかし、最高裁はこれを破棄し、被告人は公共の利害に関する事実について、主として公益を図る目的(会社の資質を問う目的)で本件表現行為を行ったものではあるが、

�摘示した事実の重要部分について真実であることの証明がなく被告人が真実と信じたことについて相当の理由も認められない

�個人利用者がネット上に掲載したものであるからといって、閲覧者が信頼性の低い情報と受け取るとは限らない

�ネット上に載せた情報は不特定多数のネット利用者が瞬時に閲覧可能であり、これによる名誉毀損の被害は深刻なものになりう

�一度損なわれた名誉の回復は容易ではなくネット上の反論によって十分に回復が図られる保証がない

とし、被告人を有罪としました。

 

名誉毀損(刑法230条1)

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実に関わらず三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

 

ただし、特例があり

名誉毀損不処罰の要件(刑法230条2)

�事実の公共性(摘示された事実が公共の利害に関するものであった)

�目的の公益性(摘示の目的が専ら公益を図ることにあった)

�真実性の証明(事実が真実であることの証明があった)

これが、充たされている場合名誉毀損とは「罰しない」とされます。

 

�の「目的」とは動機のことです。公共の利益を図る動機でなければならないので、恨みを晴らす目的、閲覧者の好奇心を煽る目的、弁償を受ける目的等は、目的の公益性にあたりません。

 

�の「証明」は、審理の結果真否が不明に終わったときは証明があったとはいえません

例えば、「XがYから金を受け取った噂がある」という事実を摘示したならば、その噂があったことを証明するのではなく、噂の内容の事実(Xが金を受け取った事実)を証明しなければなりません。

ただし、確実な資料、相当な根拠に基づいた摘示行為であれば、真実であるとの証明がなくても罰しないという結論が妥当な結論として判例等において承認されています。(真実性の錯誤)

 

例外として、ア:起訴前の犯罪行為に関する事実を摘示した場合は、��の要件が充たされていれば罰しないとされます。イ:公務員、または公 選による公務員の候補者に関する事実を摘示した場合は、�の要件が充たされていれば罰しないとされます。