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2015/06/19

交通事故 vol.2

投稿者:所長

 梅雨といってもゲリラ豪雨のような凄まじい雨が多いですね。関東平野は竜巻や、ダウンバーストなど一日の中でも気象が目まぐるしく変化し対応が難しいです。一方で、雨を喜んでいるかのような紫陽花は華やかに彩られ綺麗ですね。

 

さて今回は、「加害者が自己の過失を否定している場合、慰謝料の増額を請求できるか」についてのご相談を紹介いたします。

 

Q、私の祖母は、青信号で横断中に赤信号を無視した自動車にひかれ死亡しました。目撃者もあり、相手方は刑事事件において赤信号無視で有罪が確定したにもかかわらず、民事裁判において青信号だったと主張し過失を否定しています。

私たち遺族は、相手方のこのような態度に精神的苦痛を受けています。相手方のこのような応訴態度を理由に、慰謝料の増額を請求することはできるでしょうか?

 

A、一般的には、相手方が証拠から無謀と思われる自己に有利な主張をしたからといって、それを理由に慰謝料の増額を認めさせることは難しいと解されています。しかし、客観的な証拠を無視したあまりにも理不尽と思われる主張を展開した場合、正当な権利を逸脱したものとして、慰謝料の増額を認めた事例があります

 

 応訴態度と慰謝料増額

 死亡した場合の慰謝料額は、死亡した人の年齢、家族構成などの客観的要素で算定されますが、加害者側の事情を慰謝料増額事由として斟酌することがあります

例えば、飲酒運転、著しい速度超過、ひき逃げ、事故態様の悲惨さ等、加害行為の悪質性が挙げられます。また、事故後の加害者の態度・行動により増額になった事例もあります。

今回の場合は、後者にあたる可能性があります。被害者の感情を全く無視した加害者の応訴態度により、被害者遺族が精神的に傷つくことは否めません。

 実際に、無謀かつ極めて危険な運転行為をし、加害者が自身は無過失であるとし、事故発生における被害者の過失は大きく5割の過失相殺が相当であると主張したことを、加害者の主張は正当な権利主張を逸脱したものとして、増額事由として考慮された事例があります。(名古屋地判.平成21.9.11)

被害者、被害者遺族の権利保護の流れを受けた判例と解されます。