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2015/02/18

離婚vol.1 (2014年当事務所主催 士業向けセミナーより)

投稿者:所長

こんにちは。

寒い日が続きますね。梅や菜の花の開花の便りが聞かれる一方で、東京は今日は積雪の予報です。春の足音は、ひねもすのたりのたりかな(与謝蕪村)と言ったところでしょうか。

 

   さて今回は、 「離婚による居住用不動産の財産分与」 をご紹介いたします。

Q、  妻から離婚調停を申し立てられて以降、離婚の調停を先生にお願いして、そろそろ決着がつきそうですね。ところで、妻からの財産分与で請求されている自宅ですが、私の自宅付近は近年開発が進んで、購入時に比べ値上がりしているのですが、妻に財産分与で自宅を与えた場合、税金が発生するのでしょうか?うまい方法はないでしょうか?

 

A、  1:財産給付者側

   (1) 譲渡所得税

   財産分与が金銭以外の資産によって行われるときは、資産の譲渡にあたり、給付者に譲渡所得税が課せられます

 財産分与として資産の譲渡があった場合は、分与財産が分与時の時価で譲渡されたものとして、譲渡所得金額の計算が行われます。ここでいう時価は、相続税評価額ではなく、客観的交換価値(実際に取引される価格)です。

   (2) 特例

   財産が分与であっても、税務上次の特例があります。

    ‖M神任稜朸者控除 (離婚届出前に財産が分与をする場合)

   婚姻期間が20年以上の夫婦において、居住用財産の贈与があった場合は、課税価額から2,000万円が控除されます。

   基礎控除110万円を合わせると2,110万円まで無税で居住用財産の移転ができます。2,110万円では控除額が少ないと感じる方もいらっしゃると思いますが、不動産の評価額は相続税評価ですので、時価より相当程度低いです。マンションの場合、5,000万円程度で購入した物件でも、相続税評価にすると2千万そこそこといったケースは間々あります。

   ◆ゝ鐔四冑堝飴困裡魁ぃ娃娃伊円控除(離婚届出後に財産分与をする場合)

   個人が居住用の不動産を譲渡した場合は、譲渡所得金額から3,000万円が控除されます。配偶者への譲渡など、特別の関係のある者への譲渡の場合には適用がないので、離婚後に財産分与をする必要があります

  売買差益(キャピタルゲイン)が3,000万円以下の場合には、譲渡所得税は生じません。

   実務上は、,茲雖△諒が使い勝手が良いでしょう。しかし、居住用不動産の3,000万円控除の適用を受けた場合、適用後3年間は、住宅ローン控除の適用が受けられないため、売却後に夫がローン控除を利用して居住用不動産を購入する予定の場合には注意が必要です。

 

     2:財産受贈者側

   離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税がかかることはありません。これは、相手方から贈与を受けた者ではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。

 

  ただし、次のいづれかに当てはまる場合には贈与税がかかります。

    (1) 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合

  この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかります

 

    (2) 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合

  この場合離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります

  なお、土地や家屋などを分与した時は、分与した人が分与した財産を譲渡したこととなり、譲渡所得の課税対象となります